海外輸出用 中量物流機能付き多言語WEBサイト 『J-BASS』立ち上げについて

2018-09-04

弊社は、全国各地の本当に良いモノを作る中小食品生産者の支援を目的に事業を展開して参りました。

人口減少・高齢化社会を迎えた我が国では、急速な市場減少は避けられず、中小生産者の明るい未来は「高付加価値化=ブランド化」によって果たされると信じ、様々な「1坪SHOPブランド」の展開や、「地域ブランド化支援」などを推進して参りました。

そして市場縮小を乗り越えるもう1つの方策として「新市場=海外販路開拓」に挑戦して参りました。弊社自身が世界各国で催事販売を展開したり、展示商談会に出展して海外バイヤーと商談を重ね「どんな国で、どんな商品が、どんな価格で展開出来るか?」を模索して参りました。

「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され、日本食レストランが世界中に拡がり、弊社自身の催事販売や展示商談会での海外バイヤーとの面談の感触からも「日本の食品」に対する海外の高い評価、関心については手応えを得ることが出来ました。

しかし本来の目標である「食品輸出の拡大」にあたっては課題に直面し、日本の食品輸出の伸び悩みの原因を肌で実感してまいりました。

農林水産省のHPに掲載された「農林水産物・食品の輸出の現状」よりますと、日本の食品輸出額は世界57位と低迷しておりますが、大きな要因は「①多言語対応」「②物流インフラ」と実感しました。

「①多言語対応」は、日本語はガラパゴス言語であり先進国で日本ほど英語も苦手な国は稀です。
「②物流インフラ」は、極東の島国日本は陸送で送れる外国を持たず飛行機か船で運ぶ必要があります。
「空輸」は小ロットサービスも拡充されて参りましたが、どうしても化粧品などと比べて単価の低い食品にとっては割高になりがちであり、一方で「船便」はコンテナ単位の輸送が一般的であり、まだまだ無名の中小メーカーの商品へのニーズは少量からの取引希望が多くフィットしません。

弊社自身、催事販売や展示商談会などを経て海外バイヤーから引き合いをいただいたとしても、この2つの【ハードル】に阻まれました。

日本の輸出商社を挟む(「日本国内港渡し(FOB)」)のではなく、海外の輸入商社から「海外港渡し(CIF)」を求められて必要となる様々な必要書類の「①言語対応」や、少量(小包エアー便の箱単位)でも大量(船便のコンテナ単位)でもなく、中量(船便のパレット単位)の受注が初回取引の精一杯のボリュームと理解した後も、なかなかこのボリュームの物流を構築出来ずに苦労が続きました。

日本の食品輸出が海外の人々の高い評価の割に伸び悩む中、一方で訪日外国人が急増していきます。
日本を訪れる外国人が急増していくことで、今や日本中が「巨大な展示場」の役割を果たし始めました。
外国人が「日本国内で」これまで知らなかった様々な美味しい食品を口にする機会が増えています。
海外バイヤーと面談していても「未だ海外では知られていない埋もれた中小生産者の魅力的な商品」へのニーズが高まっていることを実感する場面も増えてきましたが、食品輸出額は訪日外国人の伸びと比べると伸び悩んでいます。

まず海外のバイヤーが「外国語で検索しても」、日本の中小食品メーカーの多くはHPの多言語対応などは出来ていない為、検索で発見することは困難です。(「①多言語対応」の問題)

また、私達は海外バイヤーとの商談で「見積もり依頼」を獲得しても適正なコストで運ぶ「中量物流」が組めず受注に至る「見積もり」を提示出来ない(「②物流インフラ」の問題)経験を重ね、ある「仮説」に至りました。
それは「日本の中小メーカーの商品が売れてないのではなく、海外バイヤーが欲しい商品でも買えていないのではないか?」というものです。

「コストパフォーマンスの良い交通インフラ(LCC)」の普及により人々の移動が大きく伸びたことと同様に日本の食品輸出においても「コストパフォーマンスの良い物流インフラ」が普及すればモノの移動は促進され日本の食品輸出額はもっともっと伸びるのではないか?と考えるようになりました。


 

この考えに基づき、私達は海外での「催事販売」や「展示商談会出展」などの活動から軸足を移し、輸出の2大ハードル「①多言語対応」「②物流インフラ」の解除 =「インフラ構築」に取り組みました。

すると「①多言語対応(海外港渡しの書類作成含む)」、「②中量物流対応(1パレット単位から適正な物流費での卸見積もり)」が出来る企業(輸出商社)として海外バイヤーに認めていただけるようになると、 各国の有力企業からの発注が徐々に入り始めました。

この活動は、もともと「弊社が販売したい商品を販売する為に」インフラを構築したものでした。
しかし弊社は「全国各地の本当に良いモノを作る中小食品生産者の支援を目的に」創業した企業です。

そこで発想を転換し、「この多言語・物流インフラ自体を広く日本中の中小食品メーカーへ提供する」という方針とし、「中量物流機能付き 多言語WEBサイト」を立ち上げることに致しました。

このシステムには「7つの海を越える日本の架け橋」となることを目指しJapan Bridge across the seven seas」=【 J-BASS(ジェイベース)と名付けました。

そして本年8月16日~18日に香港で開催された「Food Expo 2018」のジャパンパビリオンにブース出展し、香港をはじめ各国のバイヤーに対して本システムの意図と「デモ版」の説明を実施致しました。

海外バイヤーは自身の言語で商品を検索し、メーカーや商品について必要情報を得ることが出来ます。
そして何より、自国の港までの物流費込みの「見積もり」をWEBサイト上で獲得することが出来ます。
今回は徹底的に海外バイヤーの仕入側の発注し易さ(=日本の中小メーカーの受注の得やすさ)を目指し1パレットの更に半分、「0.5パレット分」から注文を出来るシステムを組んでいます。
当然、同一商品の発注量を増やしたり、複数商品を同時に注文することでもコストが下がりますが、その金額差も容易にWEB上の見積もりで確認が出来るシステムを構築しています。

弊社自身もそうであったように、海外で開催される展示商談会においても「見積もり依頼」に対して きちんと対応できていない中小食品メーカーが多いことは海外バイヤーの方々も共通の認識をお持ちです。
その為、【J-BASS】というシステムで実現しようとしているビジョンに対して好反応の手応えを得ました。

この手応えを受けて、一斉に世界各国向けにシステムを立ち上げることに致しました。
各国で検索されやすいように、各国のドメインで各国の言語に対応したWEBサイトを立ち上げます。
9月下旬より海外バイヤーの「バイヤー登録受付け」を開始し、10月下旬にまずは「香港向け【α版】」、「台湾向け【α版】」をオープンします。
【α版】はシステムのテスト運用と位置付け、弊社が取り扱っている少数のアイテムでスタートしますが、この運用を経て、2019年2月に【β版】として本オープンを行うこととし、この【β版】に向けて「掲載企業・掲載商品」の募集を本年の10月~12月に予定し、詳細が決定次第、ご案内を進めて参ります。

J-BASSご案内(生産者様向)

  • 会社名
  •  株式会社 生産者直売のれん会
  • 代表者
  •  代表取締役社長 黒川健太
  • 住所
  •  東京都台東区雷門1-2-5
  • 電話番号
  •  03-5827-7530
  • 広報担当
  •  山戸幸子(やまと)
  • e-mail ※@マークを小文字に変更して送信してください
  •  sachiko-yamatonoren-kai.com

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