弊社は「価格競争ではなく価値競争」の新たな食品流通の構築を目指し設立し事業を展開して参りました。
その背景は、需給バランスの逆転(「供給の拡大」(生産機械の革新)と「需要の減少」(人口減少・高齢化))により「価格競争」の激しさが増し、このままだと生産者のこだわりが守られなくなる、という課題認識でした。
そこで私達は、「指名買いされる状態=ブランド化こそが生産者にとっての目指すべき姿」と考え、「価格訴求」ではなく「価値訴求」での販売を行なうべく【販売力】向上に注力し、事業を推進して参りました。
私達自身が直営展開するSHOPブランド事業は9ブランド29店舗となり、また全国各地の「食を通じた地域興し」支援事業も推進しております。
私達は、食品業界の「豊かな未来」は、圧倒的No.1ブランドにより寡占化された市場ではなく、全国の生産者がそれぞれの強みを活かした小さなブランド群として綺羅星の如く輝く業界をイメージしています。
これは消費者から見て、人々が自らの「好み」や「利用シーン」に応じて、多くの選択肢の中から最も「お気に入り」を選択できる状態です。
日常生活を支える「安価」な商品も、自分へのちょっとした」「ご褒美」として購入する商品も、大切な誰かへの「プレゼント」として購入する商品も、それぞれの「価値」が明確に発揮され、「価格」ではなくブランド名で選択される未来であると考えています。
そのような業界の未来を思い描き、自分達の事業活動が未来に貢献する為に必要な力を考えた時、それは【販売力】だけではなく新たな需要を生み出す【商品企画力】こそ重要であると考えるようになりました。
「価格競争」に陥らず「価値競争」を繰り広げるような個性的な商品群を、販売者の立場から生産者と二人三脚で次々に世に送り出す【商品企画力】こそが本質的に必要な力であると強く考え始めました。
SHOPブランド事業においても、単純な「多店舗展開」(「1→100」工程)よりも「新ブランド業態開発」(「0→1」工程)に注力し、とにかく直営店で徹底的に実践を通じて新たな需要を生み出す【商品企画力】を磨くべく活動して参りました。
もちろん新たな能力開発は一朝一夕には実現しません。
そこで私達は「0→1」工程を成功する【商品企画力】の高い方々を探し、事業へのご協力を求める活動を始めました。
そんな中のご縁でクッキングスクールの『ハッピークッキング』に出会いました。
『ハッピークッキング』ホームページ
https://www.happycooking.jp/
私達が思い描いていたような【商品企画力】の高い方々、既存の商品との価格競争などに陥らず突出した「新しい価値」を生み出している方々、特にパンやスイーツのオーナーシェフの方々が講師陣に名を連ねておられました。
そして受講生の方々は大変熱心な姿勢で学び、中には日本でここでしか学べない講座を学びに飛行機で参加される方々もいることを知り驚きました。
純粋にこのスクール自体が食品業界の「豊かな未来」に繋がる価値ある場であると感じると共に、私達自身も何らかの形で連携させていただければどんなに素晴らしいだろうと考えるようになりました。
しかし一方で、『ハッピークッキング』が閉校になるとお聞きしました。
このような価値あるスクールは存続すべきである、という考えと、このスクールの運営を通じて学べることは弊社にとって大きな価値があると考え、事業譲渡を受け運営を引き継ぐことと致しました。
この講座を通じて生まれた商品が世に「ブランド」として送り出されたり、弊社が全国からご相談をいただく埋もれた「地域食材」がこの場を通じて価値を見出されたり、と将来的には様々なことを期待しておりますが、まずは何よりスクール単体での運営に注力致します。
これまで『ハッピークッキング』を創り上げてこられた全ての方々の【想い】を正しく受け継ぎ、その上で更なる発展を目指して精進して参ります。