食品生産者の皆様へ

新型コロナショックは消費者の行動を大きく変えています。
「時間の変化(外から家へ)」、「立地の変化(都市部から郊外へ)」を始め様々な変化が起こり、観光、外食、イベント等、様々な流通ルートが打撃を受け、人気商品でさえ売上急減が起きています。
そして行き場を失った商品がスーパーなどの流通ルートの流れ込み混乱した競争状態になっています。

弊社は、生産者支援事業の一環として、生産者の「出張直売所」と位置付けた直営店を展開し、12ブランド30店舗を運営しながら、消費者の変化を最前線で実感しています。
新型コロナショックがもたらす食品業界の変化を見極めながら、縮小する市場と勃興する市場の存在を感じ、この変化への対応次第では全国の生産者にとって貴重な成長機会になり得ると考え始めました。

新型コロナショックが生んだ「砂漠」と「オアシス」

新型コロナショックは、食品業界に「隕石衝突」のような衝撃を与え「気候変動」をもたらしました。
売上を農業の「収穫」に例えるならば、構成要素は「種」(商品)と「土壌」(販路/利用シーン)に分解されます。
売上下落は、「種」(商品)が悪くなった訳ではなく、「土壌」(販路/利用シーン)が気候変動で【砂漠化】した為です。
一方で消費者の行動変化は様々な新たな「土壌」(販路/利用シーン)=【オアシス】を生み出しています。

自社の「種」を「オアシス」に移植することで新たな花を咲かせる

人口減少・高齢化社会による市場縮小により、日本の食品業界は新型コロナショック以前から激しい価格競争に見舞われていました。つまり、全国の「種」「大農場」へと集中しても、それぞれが十分な収穫は得られなくなっていたのです。
今回、同時多発的に発生した多様な【オアシス】は、この長年の課題を解決する可能性を秘めています。
つまり、多種多様な魅力を持つ「種」は、特定の「大農場」での価格競争という生存競争を行うよりも、それぞれの「種」にとって最適な「土壌」【オアシス】へと移植することで、これまで以上に魅力的な花を咲かせ、豊かな「収穫」をもたらす可能性があると考えているのです。

新型コロナショックの発生以降,

・外食が減り、「家めし」はもちろん「家呑み」が急に増えたり
・外出が減り、観光土産や手土産が激減する中、「家族土産」が急に増えたり
・都心での買い物が減り、「郊外の生産者直売所」への買い物が娯楽的要素も発揮し客数が急増したり
このような「需要急増/供給不足」となっている【オアシス】は例を挙げればキリがありません。

この機会にそれぞれの花を咲かせる=無数のブランドが輝く業界へ

同業他社が殺到する「大農場」や、同じ「利用シーン」向けで価格競争を繰り広げ最大手1社が輝く業界構造に終わりを告げ、生産者各社ごとに自社の「種」にとって最適な「土壌」【オアシス】へと移植することで、それぞれがそれぞれの「土壌」で「小さなNo.1ブランド」として輝ける業界へと変わる千載一遇のチャンスになり得ると考えています。

弊社の創業来の目標は、価格競争ではなく価値競争の流通を構築し、星空のように無数の「小さなNo.1ブランド」が輝く状態を創ることです。
その為に多種多様な販路構築を目指し、駅ナカ1坪SHOPから商店内1坪売場まで幅広い舞台を構築してきました。

そうして創業6年目で年商30億円を超え、2013年に『カンブリア宮殿』でも紹介されました。 そして2020年、「緊急事態宣言」では直営店全店が休業となり大打撃を受けながらも、この続々と生まれる【オアシス】を探し、全国の生産者と共に新たな花を咲かせる為の「種」品種改良に取り組み、その中の幾つかが成果を上げ始めたところで再び『カンブリア宮殿』の取材をいただき、2021年3月4日の2度目の出演となりました。

「生産者連合」による各社ごとのブランド化と「食を通じた地域活性化」を目指して

私達は創業時に、1社1社で戦うだけではなく、同じ志を持つ【同志】連合として共に成長することを目指し「生産者直売のれん会」という「会」を設立し、事業を展開してきました。
「志」とは価格競争ではなく「指名買いされる【ブランド】となること」であり、参画企業各社で日頃の切磋琢磨はもちろん、様々なコラボ商品やプロジェクト連携により1社では難しい大きな成果を【ブランド連合】として成し遂げることです。

「地域のれん会」としての新たな展開を始めます

2020年は手探りの活動のため、個社別の取り組みで推進して参りましたが、これらの実際の活動を通じ戦略推進のステップが確立できたと判断し、2021年からは各都道府県単位で【同志】連合として事業を推進す「地域のれん会」を設立致します。
これは参画企業各社の【ブランド化】戦略の成功を目指すと共に、新型コロナショックによって発生した「地域の課題」(観光産業や外食産業、或いは特産品や産地の課題)を、この「地域のれん会」単位で力を合わせて解決を目指す【食を通じた地域活性化】の推進も睨んだ取り組みです。

昨年大一弾として立ち上げた「千葉のれん会」に続き、この度「九州のれん会」を立ち上げ、今後も展開エリアの拡大を目指してまいります。

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